run to the hill

日ごろ思ったことを、包み隠さずズバズバと書いて行きます。

秋虫の音色の真相

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暑い夏がそろそろ終わり、夜になると涼しい風が感じられるようになってきた。これで夜も良く眠れるようになってくるだろう。僕の毎日べとつく布団もそろそろおさらばだ。嬉しい限りである。

ふと外の音に耳をやってみると、秋の虫のちろりん、となく音が聞こえてくる。おお、そんな季節になって来たなあ。秋虫の鳴く音を聞きながら、そよそよ部屋に入って来るよ風を感じながらブログを書いていると、だんだんと心が静かになって来る。9月もちょうど真ん中あたり、三か月前はべとつく季節の始まり辺りであったが、あと三か月もするとクリスマスシーズン真っただ中。こう前後で違うものか、と思ってしまう。

 

今一度、虫がりんりんと鳴く音に耳を傾けた。聞いていると、一匹でなく同じ種類の虫か違う種類の虫か分からないけどちょっと違う音色が何匹もが鳴いており、まるでオーケストラの様だ。こんなことを書いていると、絵本の世界に入っていきそうだ。

虫の音色を聞きながら心が落ち着き癒されていく、という人間目線から一転して、虫目線で音を聞きなおしてみた。そこには、癒しなどの感傷は全くない。オーケストラで音のハーモニーを、なんかとんでもない話だ。他の虫は敵である。他の虫に鳴きかって、メスを手に入れなければ子孫を残すことが出来ないのだ。虫たちにとって、鳴くことは命を懸けたサバイバルの争いなのだ。メスはその音に魅かれていくのだろうが、オスにとっては他の虫の鳴く音はムカつく音、雑音にしか聞こえないだろう。ハーモニーどころか、敵対である。

 

そんな目線で、虫たちが鳴く音を聞きなおした。一匹が鳴き、ほかの虫がかき消すように鳴き、黙れとばかりに他の虫がガンガンと鳴く。先ほどと虫たちが鳴く音の聞こえ方が全く変わってしまった。夜の外は戦場である。

 

これから秋の夜は長くなるばかりである。

(757字)